【PRO研究部会企画】Special Interest Group活動報告
2.21(土)10:00~11:30
【企画趣旨】
Patient Reported Outcomes (PRO)は、約50年を経て、今や臨床研究において科学的に測定可能な指標として、他の「客観的な」指標と同等の地位を得るに至った。また、FDAなどの海外の規制当局からも、観察研究で治療効果を評価する際にPROを含めることが推奨されるようになっている(21st Century Act)
PRO研究部会では、PROの中でも特に健康関連QoL (HRQoL)に焦点をあてて、教育研究活動を行う。HRQoLは、予防や治療介入研究における評価指標としてはもちろん、観察研究、医療経済指標にも活用され、多様かつ重要な役割を演じるようになっている。
HRQoLを測定する尺度の開発や検証は、従来、いわゆる古典的テスト理論によって行われてきたが、近年、項目応答理論(IRT)やComputer Adaptive Testing (CAT) なども用いられるようになり、測定精度の向上が見られている。このことは、患者診療やセルフケアにおける個人レベルでの活用のfeasibilityを高めている。
この部会では、各Special interest Group (SIG)に、HRQoLを活用する多様な臨床研究について活発な意見交換や協働を期待したい。当部会では、以下の領域におけるHRQoL活用のSIGが立ち上がっている。
- 診療実装SIG
- 運動器疾患SIG
- 東洋医学・総合診療SIG
- 経済評価SIG
- Multimorbidity SIG
昨年、開催されたSIGでは各リーダーから活動概要の報告に加えて、部会に興味のある会員が集えるような環境を整備していることを報告した。今回は各部会からの活動報告として、現在取り組んでいる研究内容について共有をする。また、SIGの後半パートでは部会に関心のある会員も参加してディスカッションする予定である。
【SIG発表者】
- 1. 診療実装SIG(リーダー):清水 さやか
-
一般社団法人PeDAL
京都大学 特任助教
-

清水 さやか
- 略歴:
- 国保旭中央病院にて内科研修後、聖マリアンナ医科大学にて腎臓内科研修。2013年京都大学大学院入学、福原俊一教授のもとで臨床疫学を学ぶ。2015年より同大学院特定助教、2019年より特定非営利活動法人 健康医療評価研究機構 研究事業部部長、2023年より現職。疾患レジストリ、住民コホート、尺度開発などの研究・運営に従事。
- 2. 運動器疾患SIG(リーダー):土方 保和
- 京都大学 特定講師
-

土方 保和
- 略歴:
- 香川県坂出市出身。2005年に徳島大学を卒業。福岡県を中心としたカマチグループで12年間、脊椎外科医として研鑽を積む。2017年に京都大学院に入学、福原俊一教授のもとで臨床疫学を学ぶ。2019年に北須磨病院で脊椎外科診療を再開。2022年に社会健康医学博士号を取得し、2025年より現職。日本脳神経外科専門医。日本脊髄外科学会指導医・理事。日本臨床疫学会認定専門家。
- 3. 東洋医学・総合診療SIG(部会員):増田 卓也
-

増田 卓也
- 略歴:
- 2017年に久留米大学医学部を卒業。大船中央病院にて初期研修後、三井記念病院で総合内科・膠原病リウマチ領域の診療に従事。臨床現場での、「原因不明」「薬物などの加療に不応」の症状でQOLが低下している患者さんに対し、専門的な漢方煎じ薬・鍼灸診療も提供している。2025年より福島県立医科大学博士課程へ進学。鈴木雅雄教授のご指導の下、健康関連QoLを用いた東洋医学に関するリサーチについて模索している。
- 4. Multimorbidity SIG(リーダー):山崎 大
-
京都大学 特定講師
福島県立医科大学 特任准教授
熊本大学 客員准教授
-

山崎 大
- 略歴:
- 北海道旭川市出身。2008年に宮崎大学を卒業。札幌の手稲渓仁会病院で8年間、消化器内科医として研鑽を積む。2016年に京都大学大学院に入学、福原俊一教授のもとで臨床疫学を学び、2019年に医学博士号を取得。消化器・内視鏡・肝臓・総合内科専門医。日本炎症性腸疾患学会IBD指導医。社会医学系専門医。臨床疫学上席専門家。
【座長】
- 福原 俊一
- PRO研究部会 部会長
-

福原 俊一
- 略歴:
- 北海道大学医学部卒、横須賀米海軍病院インターン、カリフォルニア大学 サンフランシスコ校(UCSF)で内科学レジデント、米国内科学会専門医取得後、循環器・総合内科臨床に従事. その後Harvard大学医学部・SPH合同の臨床疫学特別プログラムを修了(MSc). 国際QOL project (IQOLA)に日本代表として参画。国際QOL学会理事、学会誌編集委員などを歴任。書籍「QOL評価学」(中山書店). Nature Clinical Practice (2008)や学士會会報(2024)にQOLに関する総説を発表。