【シンポジウム】臨床疫学研究のUniversal Education〜学部教育からのリサーチマインドの構成〜
2.21(土)9:00~10:30
【企画趣旨】
近年、学部教育において臨床研究を学ぶ機会は増えてきている。しかしその多くは、MD–PhDコースや一部の実習など、関心のある学生が選択して学ぶ形式にとどまっており、学部教育としてすべての学生が必ず学ぶ「Universal Education」として臨床疫学研究を体系的に実施している教育機関はほとんどない。
医学部を例に考えると、卒業生の90%以上は臨床医となり、指導を受けながら症例経験を積み、教科書や論文を情報源として知識を補充しつつ独り立ちしていく。経験を重ねるほど、診療現場では既存の情報源にはない課題に直面する機会が増えるが、独り立ち後は責任と多忙さのため、臨床疫学研究を体系的に学ぶ機会を得ることは難しい。学習のために職場を離れる必要が生じる場合もあり、その段階でキャリアを変更することは容易ではない。その結果、一度も臨床疫学研究を実践しないまま臨床を続け、研究は臨床医には不要、あるいは自分には関係ないものと判断してしまうこともある。
本学会は、「クリニカル・マインドとリサーチ・マインドを持つ医療者」を育成することをMissionとして掲げている。臨床疫学研究を学部教育にUniversal Educationとして導入することは、研究の視点をもって臨床現場の課題を捉え、問題点を言語化し、より深い考察と改善につなげられる医療者を増やすことにつながる。この理念に基づき、本テーマを本大会のシンポジウムとして取り上げた。
本シンポジウムでは、臨床疫学研究の第一人者であると同時に、医学部教育に深く関わり、実際に学生教育を担ってきた登壇者を迎え、それぞれの経験を踏まえながら、臨床疫学研究を学部教育におけるUniversal Educationとしてどのように設計・実装し、発展させていくかを議論する。
【演者】
二宮 利治
九州大学
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二宮 利治
- 略歴:
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- 平成 5年(1993) 3月九州大学医学部卒業
- 平成 5年(1993) 6月九州大学医学研究院病態機能内科学(旧第二内科)に入局(研修医)
- 平成 7年(1995) 6月九州大学医学研究院病態機能内科学・腎臓研究室に入研
- 平成 12年(2000) 3月九州大学医学博士取得(免疫学)
- 平成 15年(2003) 4月久山町研究に入研(学術研究員)
- 平成 18年(2006) 10月シドニー大学ジョージ国際保健研究所(海外学術研究員)
- 平成 23年(2011) 4月九州大学病院 腎・高血圧・脳血管内科(助教)
- 平成 25年(2013) 8月シドニー大学ジョージ国際保健研究所(上席研究員)
- 平成 26年(2014) 5月九州大学大学院医学研究院附属総合コホートセンター(教授)
- 平成 28年(2016) 6月九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野 (教授)
現在に至る
佐田 憲映
高知大学
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佐田 憲映
- 略歴:
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- 平成 9年岡山大学医学部医学科卒業
- 平成 9年岡山大学医学部第三内科入局
- 平成 9年 9月愛媛県町立宇和病院勤務
- 平成11年10月松山市民病院勤務
- 平成12年10月高知県立中央病院勤務
- 平成14年10月岡山大学医学部第三内科 研究生
- 平成17年岡山大学総合診療内科 医員
- 平成18年6月岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
腎・免疫・内分泌代謝内科学 助教 - 平成23年6月岡山大学病院 リウマチ・膠原病内科 講師
- 平成27年11月岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
腎・免疫・内分泌代謝内科学 准教授 - 平成31年4月高知大学 高知県臨床研究フェローシッププログラム
整備支援プロジェクト 准教授(併任) - 令和2(2020)年4月高知大学臨床疫学(寄附講座)特任教授
會田 哲朗
福島県立医科大学
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會田 哲朗
- 略歴:
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- 2012年福島県立医科学卒業
- 2012年沖縄県立中部病院 初期研修医
- 2014年沖縄県立中部病院 内科専攻医
- 2015年沖縄県立中部病院 内科チーフレジデント
- 2016年沖縄県立北部病院 総合内科
- 2017年福島県立医科大学総合内科 助手
- 2023年福島県立医科大学大学院医学研究科 臨床疫学分野 博士課程修了
- 2024年福島県立医科大学総合内科・総合診療学講座 講師
- 2024年福島県立医科大学総合内科・総合診療医センター 講師
- 2025年London School of Hygiene and Tropical Medicine 疫学修士課程修了
【座長】
矢島 知治
杏林大学
濱口 杉大
福島県立医科大学
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濱口 杉大
- 略歴:
- 新潟大学医学部卒、天理よろづ相談所病院にて初期臨床研修、市立舞鶴市民病院にて総合内科(GIM)研修、関西医科大学にて心療内科研修。その後約6年間、北海道の離島を含む僻地で地域医療に従事。2006年からロンドン熱帯医学衛生大学院校で臨床感染症と熱帯医学を学び、熱帯医学修士課程を修了し、2007年から北海道江別市立病院にて総合内科と研修システムを立ち上げる。長崎大学熱帯医学博士課程を修了。2016年10月から福島県立医科大学総合内科。同大学臨床研究イノベーションセンター副センター長兼務。2024年4月から現職。
高齢者医療(肺炎、予後予測、QOL、DNARなど)、脊椎炎(診断精度)などの現場のニーズに応じた臨床研究に携わっている。
日本内科学会総合内科専門医、日本感染症学会感染症専門医、日本老年医学会老年科専門医、米国内科学会上級会員(FACP)