【WT3】何度も描きたくなるDAG

2.22(日)13:15~14:45

【企画趣旨】

研究の目的(リサーチクエスション)は、原則として、記述・予測・因果関係の3つに分類されます。その中でも臨床家は、「ある要因が病気の発症原因であるのか」、「治療が病気の予後を変えるか」といった因果関係を検証するタイプのリサーチクエスションに取り組むことが多いと思います。因果関係の検証には、まずなぜそのように考えるのかというメカニズム(中間因子)や、比較を邪魔する要因(交絡因子)を詳細に検討する必要があり、その際に概念をまとめる図(DAG: Directed Acyclic Graph)が有用です。DAGを描くことで、多変量解析に投入する必要がある最小限の因子を決めることができ、サンプルサイズの削減にもつながります。またバイアスの可視化にも役立ちます。本セミナーでは、オリジナル資料で事前にDAGについて学んでいただきます。当日は、DAGを描くためのフリーのソフトウェアDAGittyを使い、ケーススタディ形式で様々なDAGを実際に描くことで、自分でDAGを描けるようになることを目標にします。セミナーを通じて、DAGを描くことの意味と魅力を体感し、何度もDAGを描きたくなるようになることを期待します。

【演者】

山崎 大

京都大学 特定准教授

略歴:
北海道旭川市出身。2008年に宮崎大学を卒業後、札幌の手稲渓仁会病院にて8年間、消化器内科医として研鑽を積む。2016年、京都大学大学院に進学し、福原俊一教授のもとで臨床疫学を学ぶ。2019年に医学博士号を取得。同年より京都大学地域医療システム学講座の特定講師、2025年からは同講座の特定准教授を務める。あわせて、福島県立医科大学特任准教授および熊本大学客員准教授を兼任。消化器病専門医、臨床疫学上席専門家。