【LT中級1】誰でもわかる・実践できるメンデルランダム化研究

2.21(土)9:40~10:10

【企画趣旨】

観察研究には、未測定の交絡や因果の逆転といった限界があります。これらを克服するための理想的な手法はランダム化比較試験(RCT)ですが、実際には倫理的・技術的・経済的な理由からランダム化が困難な場合も多くあります。それでもなお、ある要因とアウトカムの因果関係を明らかにしたいというニーズは高く、こうした課題に対して注目されているのがメンデルランダム化研究です。メンデルランダム化研究は、遺伝子多型を自然の「無作為化」とみなし、観察研究のエビデンスを別の角度から再検証することで、因果関係の根拠をより強固にする手法です。「遺伝子多型」と聞くと、自分とは関係がないと感じる方も多いかもしれませんが、現在では多くの遺伝情報がオープンデータとして公開されており、メンデルランダム化研究もオープンデータを用いて誰でも実践することが可能です。本セミナーでは、メンデルランダム化研究の基礎的な概念から実際の実践方法までを、前知識がなくても理解できるように丁寧に解説します。参加者が「自分でもメンデルランダム化研究を始めてみよう」と思えるようになることを目指します。

【演者】

山崎 大

京都大学 特定准教授

略歴:
北海道旭川市出身。2008年に宮崎大学を卒業後、札幌の手稲渓仁会病院にて8年間、消化器内科医として研鑽を積む。2016年、京都大学大学院に進学し、福原俊一教授のもとで臨床疫学を学ぶ。2019年に医学博士号を取得。同年より京都大学地域医療システム学講座の特定講師、2025年からは同講座の特定准教授を務める。あわせて、福島県立医科大学特任准教授および熊本大学客員准教授を兼任。消化器病専門医、臨床疫学上席専門家。